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宗谷「…悪いな…。
俺ぁ優しい顔つきです~。ってか、お前童顔なんだから、若僧だろう?」
浩之「…優しいのは俺以外にだろ?
ったく。
確かに童顔で若く見えるからってなぁ、歳上を若僧扱いすんな!」
宗谷「…で…。
また戦に行くのか?」
いきなり話がかわり、ビックリしたが、いつものことだから、返事した。
浩之「…ああ。
だから刀主のお前に、刀を頼みにきた。」
「刀主」は、浩之がつけた宗谷のあだ名である。
宗谷「…そんなあだ名を使うな。」
浩之「いや…。
今は違う意味で近所に[刀主]と言われているみたいだが、意味が違う。
俺が言っている刀主は、[どのような刀でも使いこなし、風のごとく駆け抜け、切りつける]という最強なお前のあだ名だ。」
宗谷「……古い話だ。」
先程とは違う、ピリピリとした雰囲気となった。
浩之「…古くはないだろう…?
なぜ戦から避けた…?」
宗谷「……俺ぁもう苦しむ奴を助けないのは嫌なんだ。
どれだけ戦っても…。
町の者は助けられない。」
浩之「……そうか。
お前らしい決断だ。」
浩之に刀を渡すと、浩之は歩き出した。
宗谷「…怒りはしないのか…?」
浩之「…いや…。
俺も同意見だからな。
お前には失ったモノが多すぎる。
俺もまたお前ぇと戦いに出たかったが…。
まぁ、また俺もお前ぇと同じくこの町の人を守るさ。」
宗谷「おう…。
行ってこいよ。」
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