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剣力
師匠「ふむ。
宗谷よ。
手合わせ願いたい。」
宗谷「…師匠のことです。
嫌と言っても手合わせるでしょう。」
師匠「うむ。
…優しい顔つきのお主を知っている近所で闘ってはならぬか?」
宗谷「…別にいいですよ。
ただ迷惑にならないように願います。」
師匠「まるくなったのぅ。
前まではところ構わず、剣をふっていたものの。
…やはり失った者が原因か…?」
そういったとたん、宗谷は剣をおもいっきり握りしめた。
師匠「どうやらそのようだ…「師匠…。もうやめませんか…?
俺は…。
もう[あの頃]を汚したくない…。
今まで……。
無残に人を殺してしまった。
悪いと思っている…。
だからこそ…。
だからこそ守りたい命がある。
今まで人を殺しすぎてしまった…。
その分守っていたいから…。」
自分に言い聞かせるように呟いた。
師匠「…じゃがお主…。
その闘っていない身体ではたして人を守りきれるか…?」
宗谷「……じゃあどうすれば…!?」
師匠「…じゃからわしが来たのじゃろう?」
宗谷は、ハッと顔を上げた。
宗谷「…師匠…。
では…。」
師匠「うむ。
お主は当時にもってはいない心を持っている。
当時に教えなかった奥義を伝授しようぞ。」
宗谷「ありがとうございます。」
師匠「うむ。
今この時代は、物騒だからな。わしも生きている時間は少ない。
わしの分人を助けてくれ。」
宗谷「はい。わかりました。」
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