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師匠「はて、伝授の前に、お主に前ほどの体力や素早さ、技の強さがあるかどうかを試そうぞ。」
そういいながら、抜刀した。
宗谷「…愚問を。
ついていけなくとも気力で戦って見せる。」
師匠「…いい根性じゃ。はて、老いぼれのわしに、一矢をいれられるかな…?」
二人とも真剣な表情だ。
宗谷「…ええ。
いれてみせます。
鍛冶で鍛えたこの腕で…。」
師匠「ふむ。ゆくぞ。」
宗谷「…はい。」
ゆらり…と、風がかげろうのようにゆれ、二人は風に溶け込んだ。
師匠「…(…変わっておらぬ…。素早さも体力も…。何より気配を隠すのがうまい。)ほう。」
宗谷「……。」
風に溶け込んだと書いたが、あまりにも速すぎて、残像すら残さないから、風のようになったのだ。
師匠「…(ふむ。
らちがあかぬな…。)」
宗谷「…そこだぁぁ!!」
師匠「…しまった!」
宗谷「四神流…。
桜美林…!!」
(解説:桜林の一枚一枚の散る美しい花びらの如く素早い動きで何処にも逃げることができない技。
それは、四神の朱雀の尾のような、繊細な一本一本のようだとも言われ、四神流の一つ。)
師匠「…ハァハァ…。お主……。わしを殺す気かぁ!」
宗谷「…本気じゃなきゃ師匠とやっても意味をなさないと思いまして。」
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