剣力

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宗谷「ありがとうございます。助かります。」 師匠「いや、礼を言わなくてもよい。 お主の目の美しさは同期の者とは違うからのぅ。 成長が楽しみじゃ。」 そう言うと、宗谷はまた空を見、てをかざした。 宗谷「…空はあの頃のまま…。 ですね。」 すると師匠はビックリした。 師匠「お主からあの頃を語るとは…。 お主…。 わしにあの頃を話してみないか…?」 宗谷は、もう隠さないで話そうと思った。 [時]がきた…。 そう思ったからだ。 宗谷「はい。 俺が幕末で暴れていた頃、空を見ても曇りばかり…。 そして俺は戦国時代のついこの間まで淡々と暴れていた。 俺が暴れなくなったのは、[守りたいモノ]がいたから。 そいつはとある暴れた町の、優しい命だったんだ。 暴れに優しいもくそもないが、俺は他の人にはない光が、その女にあった…。 優しい瞳だった。 ずっと、その美しい瞳の光を守っていたかった。 暴れていた俺を、奴は軽蔑しなかった。 汚れた俺を、奴は快く受け入れてくれて、明るく振る舞ってくれたんだ。 奴だけは… 椿だけは、守りぬきたかった…。 だが俺は、それでも暴れていたバカな男だ…。 ある日、近くの町を暴れ、その町は死んだかのように、誰もいなくなった。 椿は、それを見て[まだ暴れていたのですか…。 あなたは… あなたは、私以外なら殺すのですか!? 私の町も…。 ほとんどの人をあなたは殺した。 …言いにくいですが…私の父も母もその中の一人です…。] そう聞いた瞬間に、椿は泣いた。 これでもかと。 俺は聞いてみた…。 [ならなぜ…。 父と母を殺した憎い男をお前はかくまっているのだ…?] と…。」 師匠「…ふむ…。 なるほどな。 …で?」
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