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「…ねぇ…あんた」
「きついだろ?無理して喋んなよ」
「…自分で分かるんだよ…今日が私最後なんじゃないかなぁって」
「何言ってんだよお前は死なねぇんだよ」
「…ねぇ…なんで…手料理作ってほしいって言ったか分かる?」
「なんだよ急にそんなのお前が俺の手料理食いたかったからだろ」
「…ごめんね…本当は違うの…私がいなくなったら…あんたコンビニ弁当しか食べないと思ったから…ちゃんと自分で料理してほしかったの…コンビニ弁当じゃ食生活かたよるから」
「…なんだよそれお前は分かってねぇよお前が元気になって作ってくれたらいいだけだろ」
「…私もう駄目みたいだから」
「…なんだよそれ」
「…ねぇ…人は皆自分の寿命と他人の寿命が分かったらいいのにね」
「なんだよ急に」
「…寿命が分かって…寿命をあげたり出来たらいいのに」
「……なら……………よ」
「…あんた……なんて?」
「もしそれが出来るなら俺の寿命やるよ」
「…そしたら…あんたが死んじゃうよ」
「なら世界中駆け回ってでもいろんな人に土下座でもなんでもしてお前の為に寿命貰ってきてやる」
「…ありがとう……あんた」
「何泣いてんだよ泣くなよ泣く時は元気になってからにしろよ」
「…あんた…あんただって泣いてるじゃん」
「なっ泣いてねぇよ」
「…あんた」
「なんだよ」
「……もう少し生きたかったよ」
「…死なねぇって言ってんだろバカヤロー」
「うん」
…その夜あいつはこの世を去った
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