20人が本棚に入れています
本棚に追加
「……けて、頑張っていきたいと思います。だから、みんなも頑張ってください。お世話になりました」
自然と翔太の礼と共に拍手が起こる。
「じゃあ岡谷。親が待っているから、行こうか」
「あ、待ってください」
翔太が教壇を降りて、なぎさのもとに行く。
「有田さん」
「……何」
なぎさは振り向かず、ぶっきらぼうに答えた。
「いつもの場所でいつもの時間に待ってる。絶対来いよ」
翔太はそれだけいうとすぐに教室を出て行った。その後を追って先生も教室を出て行く。
「なんだ、やっぱお前らデキてんだな」
クラスの何人の男子が冷やかす。なぎさの隣の席の子(大村倫子)がそれをきいて立ち上がって怒る。
「ちょっとあんたたち!この状況で、なぎさちゃんに何言ってるの!」
「でもよー」
「いいの…倫子ちゃん、ありがとね」
「でもなぎさちゃん…え?」
振り向いたなぎさの顔には微かに笑顔が表れていた。
最初のコメントを投稿しよう!