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大村が驚く。
「どういうこと?」
「裏切られたんだよ。こいつ結構本気だったんだけど、相手は翔太を金づるにしかみていなかったんだ」
隼人が翔太の襟首を離す。
「お前の気持ちも分からないでもないけどな、いつまでも過去の恋愛を引きずってんじゃねえよ。彼女はお前の過去の彼女とは全然違うじゃねえか」
「それで、翔太君はなぎさちゃんを拒否していたんだ…」
「違う!」
翔太が顔を上げて、強く叫んだ。
「俺は今も有田さんのことが好きだ!でも…」
「でも?」
「…俺は一度別の女を好きになったんだ。これは約束を破ったことと同じだ。でも有田さんはずっと一途に想っていてくれた…俺はそんな有田さんに見合った男じゃない!」
「でも翔太君、」
「(!)」
紙コップが落ちる音がする。三人が一斉に後ろを向くとそこにはなぎさの姿があった。
「有田…さん…」
「……っ!」
なぎさが急いで紙コップを拾い、走っていく。
三人の中に一気に沈黙が広がった。
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