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「まぁまぁ、もう少し待ってみましょうよ。
“ビト”くんも来たことだし」
おじいさんをなだめるようにニコニコ顔の“セフィロス”さんが言う。
温和な人なのだろう。優しさが滲み出ている。
━━━それから待つ事一時間、“INVITE”はまだ来ない。
「ふん、わしらは騙されたのかもな」
おじいさんは吐き捨てるように言う。
確かに遅い。
自分の持ち家なのに迷うという事は無いだろう。
しかし自分の持ち家に呼ぶこともおかしい。
腹いせに家にイタズラされても文句は言えない。
もっともこの家が彼の持ち物ではないということも考えられるが。
空気は重苦しくなっていく。
咄嗟(とっさ)に、空気を変えるためか
「そうだ!待ってる間、話でも披露しない?
っていうかそのために集まったんだし」
と“うとむ”が提案してきた。
確かにその通りだ。
集まった理由はそれぞれの持ち話の披露が目的だ。
持ち話はたくさんあるのだ。“INVITE”が来てからでも話のストックはあるだろう。
俺も賛成した。
「それはいいですね」
「…ふむ、いいじゃろう」
二人も同意した。
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