第一話 防空壕

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「───これでわしの話は終わりだ」 おじいさんはふぅと溜め息をつく。 「後から生き残った村人に防空壕のことを話すと、どうやらアレは防空壕じゃなく墓地だったそうだ。 前回の空襲で死んだ村人を埋葬したらしい。村人はみんな家族ということで一ヵ所に埋葬されたんじゃと」 そして悲しそうに 「きっと何も出来なかったわしらを恨んでいたんじゃろう…」 と呟く。 「で、でもそのあと村に戻ったんでしょう? なら助かった人もいたはずだ」 と、すかさず“セフィロス”さんがフォローを入れる。 すると“逃亡兵”さんは俯(うつむ)きながら 「わしは恐怖のあまり山の中で震えていたんじゃ。 村には戻っておらんよ」 と言った。 一瞬場が凍りついたが“うとむ”の 「んじゃ、次!次! “セフィロス”さんどうぞ!」 の掛け声で動きだす。 明るい性格の“うとむ”に感謝しつつ“セフィロス”さんの話に耳をかたむける。 「───では、これは私が刑務所の看守をしていたときの話です」
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