第三話 いっしょ

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あれ?なんで居間にいるの?二階にいたんじゃないの? それじゃ─私ノ手ヲ掴ンダノハ誰? 「ほら、早くあんたも食べなさい。遅刻するわよ。」 キッチンから母の声がした。 学校に向かう。 足は学校に向かうが思考は全く別の方向に向かっていた。 酷く寒気がする。 何か、誰かに見られているような気がする。 しかし、振り返ってみても当然のように誰もいない。 思考の中に昨日のストーカーの男性の顔が浮かぶ。 しかし、必死にその考えを振り払う。 もういないのよ!彼は死んだ!私を助けるために死んだのよ! 私を……。 学校の門をくぐり、私は思考を中断した。 授業は、事故の事や今朝の出来事を考えていて全く頭に入らなかった。 もうすぐ大学受験が控えている。 真面目に授業を受けなくてはと思うがどうしても集中できない。 彼の顔が頭に浮かぶ。 苦しそうに喜んだ、あの顔が── 学校が終わり帰路につく。 帰ったら勉強しよ。 そんなことを思いながら歩いていると、また何か背筋に悪寒が走るのを感じる。 ──誰かに見られてる。 彼が、、、見てる…! 振り返って姿を見た訳ではない。 しかし、私には何故か解る。 ──彼が見てる。私を。憑いて来てる。死んで尚(なお)。
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