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いや、きっと恨んでいるんだ。
体はガタガタと震えている。
汗が次々と頬をつたう。
背筋に感じた事の無い大きな悪寒が走る。
カツ──カツ──
聞こえるはずのない足音が、まるで耳元で発せられてるかのように大きく聞こえる。
──カツ──カツ
どんどん近付いて来ている。
足音は家の前から聞こえている。
「あ……い、いや……」
カツカツカツカツカツ
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そこで私の意識は途絶えた。
私は目を覚ますと病院のベッドで横になっていた。
「あ…あれ?」
「あぁよかった!目を覚ましたのね!」
私の視界に母の心配そうな顔が映る。
「私…なんで病院に?」
「晩ご飯が出来たから呼んでたのに降りて来ないから、心配して見に行ったら窓の前で倒れてるんだもの」
私…気絶したのか。
「病院で二、三日様子を見るから、学校のことは忘れてゆっくり休みなさい」
そう言い母は病室から出て行った。
何か体がひどく重く感じる。
時間は深夜をまわったところだ。
病室には私以外に入院患者の人達がいるので、大人しく寝ることにした。
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