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「す、すみません!」
「いいですよいいですよ。ハッキリ言われた方が遠慮とかしなくていいし」
また、はは、と笑い彼は自分が入院した理由を話し始めた。
「まぁ俺、入院してからそんなに長くはないんだけど。
俺には好きな人がいてね。いつも夕暮れ時にあの娘を見掛けてた」
彼はハァと溜め息を吐き話を続ける。
「一目惚れだった。その日から俺は夕暮れ時になると決まって彼女を探してた。帰り道らしく必ず彼女を見つけることは出来た。
でも、喋り掛けることが出来なかった。
勇気が無かったんだ…」
「でも、それじゃダメですよ。
勇気を持って喋り掛けなきゃ!」
つい熱くなってしまって口ごもる。
「そう、君の言うとおりだ。
俺はその日、決心した。
このままじゃいけないって、一歩踏み出さなきゃ。
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