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話を始める前に、俺には気になっていることがあった。
また額から汗が頬をつたう。
暑い。
俺の服はもう汗でびっしょりになっていた。
しかし、この三人(+一人)は汗ひとつかいていない。
俺だけが、何故かさっきからダラダラと汗を流している。
水が欲しい。
立ち上がろうとする俺を“セフィロス”さんがとどめる。
「あぁ、暑いですか?
今水を持って来ますね」
スタスタと屋敷の奥へと消えていく。
あれ?“セフィロス”さんキッチンが何処にあるか知ってるのかな?
不思議に思いながらも、もう一つの疑問を思い出し“うとむ”に質問する。
「そ、そういえばさ、なんで“うとむ”は…その、“彼氏”と喧嘩してるの?」
“うとむ”は袖を捲(まく)り手首をこちらに見せてくる。
手首にはたくさんのリストカットの跡があった。
ウフフと照れ笑いを浮かべながら“うとむ”が言う。
「ほら、彼…死んでるでしょ?
だから私も早く死んで彼のとこに行きたかったの。
そしたら、彼ったら『死んじゃダメだ』なんて言うんだもの。
でもあれはきっと照れてるんだわ、うん!そうに違いない!」
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