1356人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
話の順番は年上からということになった。
つまり一番手“逃亡兵”さん、二番手“セフィロス”さん、三番手“うとむ”さん、最後に俺だ。
“逃亡兵”さんの話が始まる。
と、“うとむ”さんの後ろに男性らしき人影が見えた。
「あれ?奥に誰かいますよ」
人影は柱に隠れたのかもう姿は無かった。
「なんだ、“INVITE”は始めからおったのか」
「いえ、彼は私の彼氏なんです。恥ずかしながらちょっと喧嘩してる最中なんですよ。
でも付いて来るって聞かなくて…」
こっちに来る気はないのか、彼氏は姿を見せない。
ま、用心のために付いて来たのだろうか。喧嘩中とはいえ彼女の身を案じているのだろう。
悪い人ではないようだ。
「ふん、最近の若い奴等はわからんのう」
“セフィロス”さんはニコニコと“うとむ”に視線を送っている。
それはまるで我が娘の幸せを喜ぶ父親のようだった。
“逃亡兵”さんは早く話をしたかったのか、では話を始めるぞと語りだした。
「あれはわしがまだ若く兵隊であった、第二次世界大戦の頃の話じゃ━━━」
最初のコメントを投稿しよう!