2人が本棚に入れています
本棚に追加
夜11時36分―
「…つー事でカイ、俺の仲間になってくれ!頼む!!」
「…」
カイ、返事しない…やっぱイキナリすぎたか?
「…ふざけんな」
あぁ!やっぱり怒ってる!!
「なんでお前が戦士で俺が仲間なんだ!!俺はオマケか!」
「そっちかよ!…まぁお前は仲間の中でも頭脳派っぽいし…」
その時、カイの肩がピクッと動いた。
「頭脳派……」
メガネを押し上げ、つぶやくカイ。
何を思ったか
「フン、仕方ない、仲間になってやるか」
と言ってくれた!
「おぉ!そっか サンキュウ!それじゃあ早速…」
と、連れて行こうと手を握ったが…
カイが不安そうな顔で言った。
「親に何も言わねーのか?」
「は?…おっ、お前…マザコン?家族が恋しいお年頃?」
「違うわ!戦士なんだろ?この先なにがあるかわかんねえじゃねーか!」
「そんな大げさな…」
ヘラヘラ笑ってそう言って見せたが…
本当は危ない目にあった俺が一番知っていたハズなのに。
命の危険と隣り合わせってこと、俺が一番わかってたハズなのに。
親とかそっちにいかなかったのはなんでだろう?
「だって戦士…」
カイの不安そうな顔にさらに影が増す。
「…わかったよ ちょっと行ってくるよ。お前も親に話してこい。時間は12時だからな!」
カイの顔がぱっと明るくなり、カイは立ち上がった。
「わーってるよ!」
俺は例の通り、ベランダから自分の部屋へ帰る。そして窓を開け…え!?
母さんと父さん!?
俺、なんかしたっけ!?
「レ~ン~、アンタ戦士になるんだってねぇ!母さん応援してるよ!」
「戦士の父親なんて父さんも鼻が高いぞ!」
…ん?え?
「ええぇぇ!!なんで知ってんの!?」
「さっき黒ずくめの女の子が言って行ったのよ」
あの女…準備いいな…つーかすんなり信じたアンタらもすごいよ…
母さんが俺にズイッと近づく。
「とーにーかーく!死んで帰ってくんのは許さないからね!」
母さんは一度、俺の額を指でつついて言った。
「…あぁ、わかってるよ!!」
「よし!それでこそあたしの息子!いってらっしゃい!」
「おぉ、行ってくるよ!」
最初のコメントを投稿しよう!