黒い女と謎の男

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ーー次の日 「…宿題すっかな」 お、母さんの声が聞こえる。 「レンー!風が涼しいわよー、窓あけてみなさーい!」 「ほいほーい」 タタタタタ… …ん?なんだ? 窓を開けて網戸に手をかけた その時だった。 「ヘヘヘ、お前が戦士か?ぶっ殺してやる!!!!そして俺が戦士になる!」 ベランダから入ってきたその男はつり目をギラリと光らせ、俺を睨みつける。 「え…ちょ…えええぇぇ!!うぞおぉ!」 白い肌に黒髪をなびかせ、鉄パイプをブンブン振り回しながら俺に襲いかかってきた。 「おとなしく魔法石を渡せえええー!!」 鉄パイプが頭スレスレに近づき、髪が数本鉄パイプに絡めとられる。 「ぎゃあ!!」 実は…戦士になんてなりたくない。できることならコイツにあっさり魔法石を渡して死をまぬがれたい。 しかし… 「なくすなよなくすなよなくすなよ…」 アイツの言葉が頭の中でリピートされる。 「へっ、びびっちまってよぉ お前みてぇなガキが戦士だと? ハッ!笑わせやがって、戦士は俺がなってやっから、お前はおとなしくあの世へ行け!」 さすがにこの言葉にはカチンときた。 「なんだと…」 冗談じゃねえ こんな石のせいで死ぬなんてまっぴらだ。 俺はポケットの中の魔法石を睨みつける。 魔法石を渡さずに死なない方法ーー それはひとつ。 「コイツを倒す」!! 俺は目についたカッターを握りしめ、刃をめいっぱい出して叫び、飛びかかった。 「うあああああ!!」 「ガキが。たかがカッターなんぞで俺が倒せるとでも…」 その時だった。 ポケットの中の魔法石が青く光り、俺が持っていたただのカッターは、青くておふだがたくさん貼ってある大きな剣に変わった。 「ぐあァァァァ!!」 剣はそいつの脳天を直撃した。頭からドロドロとした液体になりフッと消えた。 「はぁ…はぁ…生き…てる…はぁ。」 座り込んで安心したのもつかの間 「…ん?なんだこの音…」 ピッピッピッ と音の鳴る方へ振り向くと、さっきの男が消えた場所に何かが落ちている。 音源はどうもコレのようだ。 「なんだこれ発信機?」 発信機のような物の音に呼ばれたように、また男が来る。 「ヒャハハハハ!! まだ終わりじゃねぇぞぉー!」 今度は色黒に金髪、腕に筋肉がついた奴だ。 「くそっ、まだいたのか!」  剣を振り上げたその時
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