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「でもさ、」
と、葵が私の方を見て腕を組ながら話し出す。
「自分よりダメだと思ってた人間が突然自分よりすごくなると何かムカつくよね。」
「お前本当に性格悪いよな。」
すかさず田口君が突っ込む。
でも私は何も言えない。
葵の発言にビックリしてしまって。
それってどういう意味だろう?
私は夢とか持っちゃダメなのかな?
葵は友達でいてくれない?
いろんな気持ちが混ざり合って何一つ言葉にできない。
「あっ!美紀ごめん!
そんなに真剣に受け取らないで!
私思ったことすぐ口に出ちゃうけど、悪意は全くないから!」
「今の発言のどこが悪意がないんだよ。
いつかその口の悪さが身を滅ぼすぞ。」
田口君が葵を窘める。
「美紀ごめん~。
私、何にも考えてなかったのに、美紀は将来の事とかちゃんと考えてて焦っちゃったの。
美紀も自分と一緒のラインにいると思ってたら大分先行ってたみたいで、人には努力しろとか言っておいてごめんなさい。」
葵は田口君に言われてハッとなると私に駆け寄り私の右手を両手で掴み謝ってきた。
「ううん…。
私、葵の思ってる事ちゃんと口に出して言うところ好きかもしれない。」
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