中務君の努力

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声を掛けられて我に返る。 振り向くと田口君がこちらに歩いてきていた。 「帰らないの? 鈴木は?」 田口君は私の前で止まり少し首を傾ける。 「葵は、さっき別れて、あの、私は帰るんだけど迷ってて…。」 私は自分で思ってる以上に混乱しているようだ。 全く何言ってるか自分でもさっぱりわからない。 「どうした? 中務とかいう奴から何か言ってきたのか?」 「え?今の説明でなんでわかったの?」 私はビックリしてしまい目を見開く。 「まあ美紀がそんなんなるのは中務とかいう奴の事でぐらいだからな。 てかさ、あいつ連絡すんの早くないか? こんな短期間で何が変わったんだか。」 田口君は中務君には特に厳しい…。 「で?あいつは何て言ってきてるんだ?」 田口君は少々不機嫌そうに聞いてくる。
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