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「え?」
田口君はふいに私を真っ直ぐ見つめて、すごく真剣な顔で言った。
私は言葉をちゃんと聞いていたのに聞き返す。
「聞こえてただろ?」
「…はい。」
私は田口君にあまりにも真っ直ぐ見つめられて、身動きができず、私もただただ田口君を見つめた。
「できるならあいつとは二度と会ってほしくない。
でも、会いたいんだろ?」
田口君が切なそうに呟く。
「う、うん…。
会いたい…。
すごく会いたい。
でも私、まだ中身があるとかないとかの意味全然わかってないし。
自分をしっかり持つってどういう事かも曖昧で…。
今だって、田口君の気持ち知っていながら中務君に会ってもいいかどうか聞いちゃうし。」
私は段々自分の事が嫌で嫌で仕方なくなる。
自分の事が嫌いなうちは変われないんじゃないかな?
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