始まり

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私は意を決して、 とりあえず忘れ物を取りに自分の席に向かう。 だって何て話し掛けたらいいかわからないし、 「補習?」 なんて聞いても見たらわかるし、何か嫌味っぽいし。 申し訳ないけど私選抜で他の子より一足早く高校受かってて、県下でも1、2を争う進学校に進むのに まかり間違っても 「補習?」 なんて聞けるわけがない! 私は脳内でとんでもない量のアドレナリンが分泌されている事を感じながら、できるだけ平静を装いやっとのことで自分の席に辿り着く。 やっぱり話し掛けるなんてできない。
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