逃亡三日目

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「ご注文お聞きします」 「あ、の、オチチュメ、ミックチュ………」 やっぱり言えなかった。 「フフフッ」「キャハハッ」 奈美と店員は大爆笑。 くっ、なんだよ………。 下を向いたまますねているシモガミに代わり奈美がハキハキと注文する。 「あの、おすすめミックス20本セットで」 「お飲み物はどうされますか?」 「私は生ビール。シモガミさんは?」 「え?」 「飲みもの何にする?」 「生ビール」 「かしこまりました。少々お待ちください、うふふっ」 「おもしろーい」 「ふんだ」 「やだシモガミさん、はぶてちゃダメぇ」 「………………………」 「ごめんってば……。でも、今日は本当にありがとうございました。シモガミさんのお蔭でお姉ちゃん辛い目に会わなくて済むよ。本当にありがとう」 奈美の目にはうっすら涙が浮かんでいた。
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