さいねんしょう

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  「俺様がそう簡単に逃がすと思う?」 「ひっ‥」 左腕を切られた時の記憶が蘇り、反射的に腕で身体を庇った。 「殺さ、ないで‥!」 「‥ばーか」 強張っていた身体が、そっと何か温かいものに包まれる。 ああ、佐助だ‥‥ 今も昔も変わらない彼の温度に、不覚にも涙がにじんだ。 「会いたかった」 「佐助‥‥すまぬ、佐助‥!」 昔よりもずっと、熱く熱くなれる そんな予感がした。 e.
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