願い

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  「行かないよ」 「何故だ?」 心持ち、旦那の身体がこちらを向いた。 ああ、旦那が俺に意識を向けてくれている! それだけで俺は天にも昇る気持ちだった。 「此処がいいから、ですよ」 「そうか」 ようやっと顔がこちらを向いた。 彼は笑っていた。 とても寂しそうな微笑ではあるが、確かに笑っている  
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