さいねんしょう

7/9
前へ
/60ページ
次へ
  「旦那‥‥もしかして」 「ひ、人違いを」 「佐助なんて名前、今時いないっしょ」 「げ、ゲームのキャラにならいるぞ!」 「アンタ、現実と二次元が倒錯するほどゲームやるって柄じゃないだろ?」 「あ、ぅ‥‥」 だめだ、そもそも彼に口論で勝とうというのが間違いなのだ。 ならばどうする? ‥‥やはり逃げるしか無い。 「失礼します!」 くるりと踵をかえして駆け出した 俺の後頭部に何かが激突する。 「―――~‥っ」 激しく転んだ俺の視界に入ったものは、通学鞄とこちらへ歩み寄ってくる彼の姿。  
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加