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「ぁ‥え‥‥」
視界の端にうつる旦那の姿
やみくもに手を伸ばして、俺の名を呼ぶ。
行かなければ
いけないのに
なんで、何故
動かないんだ
「だ、ぁ‥‥」
駄目だ、声も出ないのか。
どうしたんだよ俺の体は
手も足も地面を虚しく掻くだけで、立つ事も這う事ですら難しい。
なあ嘘だろ?
せめて最期くらい
アンタの手を取って逝きたいんだよ!
神様お願い。
この指の先が触れるだけでもいいんだ、俺をあの人の所へ行かせて‥!
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