幸せな結末

3/9
前へ
/60ページ
次へ
  「ぁ‥え‥‥」 視界の端にうつる旦那の姿 やみくもに手を伸ばして、俺の名を呼ぶ。 行かなければ いけないのに なんで、何故 動かないんだ 「だ、ぁ‥‥」 駄目だ、声も出ないのか。 どうしたんだよ俺の体は 手も足も地面を虚しく掻くだけで、立つ事も這う事ですら難しい。 なあ嘘だろ? せめて最期くらい アンタの手を取って逝きたいんだよ! 神様お願い。 この指の先が触れるだけでもいいんだ、俺をあの人の所へ行かせて‥!  
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加