幸せな結末

5/9
前へ
/60ページ
次へ
  「ほら、着いたぜ」 ドサと少し乱暴に落とされた だがそんな事、構いやしない。 「だ‥っ、んな‥!」 「‥‥けぇ‥」 しっかりと両手で彼の手を握りしめると、微かながら笑ってくれた。 ああ、ああ 散る花のなんと美しき事! 「ぃ‥‥だな、」 焦点の合わない目で俺を見ていた旦那が、ぽつりと何か呟いた。 聞き返すのは酷だと分かっていながら「え?」と聞き返してしまった俺に、旦那は目を細めて 『これで一緒だ』と、そう言った。 声にはなっていなかった。 だがそれだけで充分だった、充分すぎた  
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加