柳とオレンジジュースと1/3の純情な恋心

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『この世の地獄を見た……』 俺はそう言ってから事切れてしまったそうです。 というのも目覚めると次の日の午前7時、あれから死んだように眠っていたとは、俺の姉貴の徳永杏華さん談。。いや、死んでたじゃないんですかね。 目覚めてから体の方を見ますと、所々に姉貴の凶行の後がチラチラと……。それから私服から寝巻用のスエットにドレスチェンジされてます。 姉貴がやったんでしょうか……ふふ、照れるぜ。 うちの姉貴、杏華はお察しの通り非常に凶暴な作りをしております。容姿はそりぁ、弟の俺から見てもかなりの美人なんですが、中身はがさつ、男勝り、凶悪、鬼神、悪鬼。殺し屋1を見ながら普通にご飯食えちゃうくらいの女の子でして、俺は常に彼女の奴隷な訳です。 その姉貴曰く、上杉柳は昨日俺が気絶したしばらく後に目を覚まして、何も言わずにふらふらと帰っていたとのことです。 不思議な子だったな……。 昼休み、教室の窓際の席で何の気無しに、薄い青に染まる空を眺めながら俺は昨日の上杉柳のことを考えていました。 なんかな、第一印象よりもあの子、すげぇ可愛らしい子だったな……。こうなんていうか、ほっとけないっていうか、なんというか。 その時でした。 「徳永祐亜……?」 背後から女の子の声がしました。 ば、馬鹿な……この俺がこんなに迫られるまで気付かないなんて……。 恐る恐る振り返ると、そこには例の紅髪の女の子が絶状態で立っていました。
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