紅色のきもち

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あの異界ジェノサイダー及び暴走殺戮破壊少女こと上杉柳に接触を試みてからというもの、チラチラ彼女とコンタクトを取る機会が増えました。 しかしながら廊下であったりすると、無表情のまま手を軽く振ってそのままダッシュですぐ消えたり、あいさつの言葉を聴覚検査の時に、「はい、何か音が聞こえたら手元のスイッチ押してくださーい」って時に流れるピーって信号音ばりの音量で背後で囁いてきたりと、何かとミステリアスなコンタクトばかりですが。 この間オレンジジュースを貰った時には、不覚にも胸がときめいたものの、やはり恋愛感情ではないんじゃないかなぁーと最近思ったりします。 だって顔はめっちゃ整っていてかつ幼くて、それでいてクールで最高なんですがね。 如何せん、あの起伏の少ない体といい、雰囲気が幼過ぎます。あんなロリロリな子に手出しちゃった日には市の条例でしょっぴかれちゃうんじゃないと思いますもんね。 あんなタイプの子の彼氏ってどんな人なのかなと想像してみたりします。全くつきませんけどね、アハハ。 校庭から響く運動部の喧騒を聞き、今日も早一日終わってしまったかとしみじみ思いながら、鞄片手に校舎の階段を降りて行きます。 そして下駄箱に着いた瞬間ふと、後ろから殺気がしました。 恐る恐る振り返りますと、 壁から顔だけをちょこっと出して、こちらをじっと覗き込んでいる撲殺天使柳ちゃんがいました。 怖いわ!
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