柳と涙とりんごの気持ち

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上杉さんに誘われてUSJ(憂さ晴らし・スタジオ・ジャパン)まで来た訳なんですが……。 いやぁー! 一度来てみたかったこの場所! 蜘蛛男とかターミネートゥーとかE・Dとかいろんなハリウッド映画をモチーフにしたアトラクションがあるんですな。もう俺は、テンションフルスロットルでごさいますよ。 ……しかしながら、誘ってくれた本人はいつものようにどこか遠い目をしてボーッとしています。 相変わらずのミステリアス具合ですな……。 そんなミステリアスな彼女の手をとって歩いているという謎の状況。我ながらテンション任せの行動でござったと深く反省しています。しかし上杉さんからも微かな力で俺の手を握り返してくれているので嫌がられてはいないみたいです……良かった。 「さて、まず何からしましょうかね?」 「ご飯」 「却下です」 「!!……いじわる」 どんだけ食に対して執着が強いのだ、この子は。 「そうですなぁ……あ! 俺絶叫系に乗りたいです!」 「ゼッキョウケイ?」 俺が提案すると、上杉さんは訝しげな表情で首を傾げました。 「遊園地って来たことないから良くわからない」 「まぁ、とりあえず適当になんか乗ってみますか」 澄み渡るような青空の下、俺は上杉さんの手をひいて人混みの中を進んでいきます。そして、そこに到着する訳です。 ──USJ(Uは決してユニバーサル的なUではない)最強にして、最悪と悪名高いジェットコースター ブラックアトミックサウザントエターナルライトニングスプラッシュハイパードラゴン!!!! この小学生が考えたような名前のジェットコースターはUSJの最大の目玉アトラクションでして、最高速度160kmオーバー、コース全長2800m、高度100m以上から落下などかなり刺激が強く、乗り終わった後に泣き出す人も多いとか……。 一度は乗ってみたいと思っていたけど、いや、いきなりラスボスから攻めるのはどうなんだ……そんなどこぞの友達が少ないリア充達の5巻的な展開は果たして……。 俺がジェットコースターを前にして少し怖じけづいていると、服の裾がちょいちょいと引っ張っられました。 「……乗る!」 目がキラキラしてやがります。
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