Private lover.

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「失礼しまーす!!中丸くんいますかー?」 神頼みのさなかに、割と勢いよく開けられたたドア。 呼ばれた名前に振り向いた、声の先。 「あれっ!増田!!どした、俺に用事?」 ああ、なんか癒されるってのとはちょっと違うけど。なんか落ち着く。 友達っていいなあ。 「うん、用事って程でもないけど。沖縄旅行の写真、現像したから持ってきたんだよね。はい、」 「ああーー!!サンキュー!やっ、なんかやべえ、一気にテンションあがってきた!!」 手渡された写真をぱらぱらと何枚か流し見て、楽しかった記憶が蘇る。 増田を楽屋に招き入れるのも忘れる程、俺のテンションは急上昇していた。 大人げないとかは、言わないで欲しい。 「マッスー、俺、中はいっていーい?」 写真に夢中になっていた顔をあげると、増田の陰からひょこり覗かせた手越と目があった。 「ああっ、ゴメン!手越いんの気付かなかった!!入って、入って」 「えー、中丸くんヒドイなー。気付いてよー」 これぞ、アイドルスマイルって言うんだろうか。 爽やかすぎる笑顔を振り撒いて、手越は俺を通過してかめのもとへ歩いていった。 CGではなく、手越が楽屋に入った瞬間そこいらがキラキラして見える。 「亀梨くん、お疲れ様ですー。」 「おおっ!手越じゃん!なんかもうすでに懐かしいな!!」 「ふふ、この前打ち上げしたばっかりなのにね、不思議な感じ。上田くん、お疲れ様ですー」 「どうもー。いやー、若いっていいね!俺らとハリが違うよね!!」 眩しい。 輝きが3倍だ!! 3割り増しで輝いている!!! ああでも、やっぱり上田がいちば… 「てーごー!もう帰るよー。そろそろ俺らのリハの時間!」 「はーい。じゃあ、また。お邪魔しましたー!」 もう帰るのか…。まだまだ見れるぞ、俺は。 「じゃあね、中丸くん、また家にも遊びに行くねー」 「おうっ!ありがとな、写真!!お疲れ!」 持っていた写真を掲げるようにぶんぶん手を振って、ふたりを見送ったあと鼻歌混じりにドアを閉めた。 .
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