~序章~

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「なっ・・・」 部隊長らしき人は、目の前の光景が信じられなかった。 目に映るのが、やっとくらいの素早さで黒い物体が異形の物を斬っていっていた。 だが、不思議なのはそこではない。 斬ったはずの異形の物から、一切 血が出ず、死体がなかった。全て消滅していた。 ものの5・6分で異形の物は全滅していた。 異形の物が消え失せると、雨音だけがやけに響いていた。 その静寂を破るかのように、先程の部隊長らしき人が声をかけてきた。 「お前凄いなあれだけの魔物を5・6分で壊滅なんて俺は、柊 要って名前だ 一応この戦で部隊長をしていた。あんたは、何て言う名前なんだ。」 随分慣れ慣れしく尋ねてきた。あと本当に【らしい】ではなく、部隊長であった。異形の物は、魔物と言うらしい。 「無血の風」 慣れ慣れしかったのにも関わらず怒った様子もなく簡潔に答えた。 また要は驚いた。 なぜなら彼は、この世界で 最強の魔法使いではなく最強の犯罪者として有名なのだから・・・。
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