埋もれた記憶

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   物凄く―――――…… “行きたくない場所”であるから、すっかり記憶の中から排除されていたのだ……と 妙に自分自身で納得してしまっていた 「……うう゛ぅ~ん」 記憶を手繰り寄せた途端、見る見るうちに額を寄せ唸り続ける私の異変を見た凛ちゃんは、その様子に訝しげに覗き込む 「……何?行きたくないの?修学旅行!!」 凛ちゃんの信じらんないとの驚愕の声に言葉を濁らせながらも 別に、そうゆ~訳じゃないけどと言いつつも確実に否定はできない だから自然と、口からこぼれるのは合間な返答 京都――――――かぁ…… 古き良き時代からの、日本独自の風景を今も色濃く後世に受け継ぎ残す京都――― まるでタイムスリップしたかの様に、重要文化財が至る所に存在し、不思議な雰囲気と魅力を醸し出しす……と、そこを訪れた人は決まって魅了されると言う そう、私を取り囲むように連なった笑顔が何よりも表すように……誰しもが浮かれ、自然と心弾ませる京都。 私はまだ一度も、其処に行ったことは無いけれど……、 何故だか“京都”と、聞いただけで体も心さえも萎縮してしまう わからない……わからない それがどうしてなのか自分ではわからない……けど、 何故だか怖いと感じてしまう でもだからと言って、何が?と問われれば尚更困るのだ 自分でも全く、それが解らないのだから…… ,
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