1201人が本棚に入れています
本棚に追加
/157ページ
物凄く―――――……
“行きたくない場所”であるから、すっかり記憶の中から排除されていたのだ……と
妙に自分自身で納得してしまっていた
「……うう゛ぅ~ん」
記憶を手繰り寄せた途端、見る見るうちに額を寄せ唸り続ける私の異変を見た凛ちゃんは、その様子に訝しげに覗き込む
「……何?行きたくないの?修学旅行!!」
凛ちゃんの信じらんないとの驚愕の声に言葉を濁らせながらも
別に、そうゆ~訳じゃないけどと言いつつも確実に否定はできない
だから自然と、口からこぼれるのは合間な返答
京都――――――かぁ……
古き良き時代からの、日本独自の風景を今も色濃く後世に受け継ぎ残す京都―――
まるでタイムスリップしたかの様に、重要文化財が至る所に存在し、不思議な雰囲気と魅力を醸し出しす……と、そこを訪れた人は決まって魅了されると言う
そう、私を取り囲むように連なった笑顔が何よりも表すように……誰しもが浮かれ、自然と心弾ませる京都。
私はまだ一度も、其処に行ったことは無いけれど……、
何故だか“京都”と、聞いただけで体も心さえも萎縮してしまう
わからない……わからない
それがどうしてなのか自分ではわからない……けど、
何故だか怖いと感じてしまう
でもだからと言って、何が?と問われれば尚更困るのだ
自分でも全く、それが解らないのだから……
,
最初のコメントを投稿しよう!