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ノル《ありがとう、実を言うとねそろそろ私も限界だったんだよ。今日、君達が来てくれて良かった。》
メイリン「限界って、何故ですか?800年も前にこれほどの科学技術があって、今もこうして会話が出来るのに?」
メイリンの指摘にノルは困ったような顔で答えた。
ノル《う~ん💧確かに、この研究所を維持し続けるだけなら、まだまだ大丈夫だったろうね。》
シン「それなら――」
ノル《でもね、この研究所は剣帝を・・・イクス様を守る為だけに今まで維持し続けていたんだよ。》
「大丈夫では」と言おうとしたシンを遮ってノルは言った。
レオ「そのイクスって奴は、そこまでするような男なのかい?」
レオノーラの質問にノルはどこか悲しそうな顔で答えた。
ノル《イクス様は、まさしく英雄と呼べる立派な方だよ。まだ22歳の若さで、剣帝と呼ばれる程の剣技を持ち、常に王国の為、民の為にと自身の幸せを求めずに身を粉にして王国を守ってくだされた。》
シン「立派な方だったんですね。」
ノル《ああ、だがね?いつだったかイクス様が仰られていた言葉がある。「俺は英雄じゃない。どれだけ人々に剣帝だ英雄だと呼ばれても、それはそれだけの人を殺したって事なんだ。」とね。「だから、俺には幸せになる資格はないんだ。」とも言っていたよ。》
シン「そんな・・・・」
レオ「そんな事って・・・・」
絶句する2人にノルは続けた。
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