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ノル《―――――――これで、全てです。》
ノルがイクスに説明をし終えると、イクスは悲しげな顔で目を開けた。
イクス『そうか・・・・・・800年も眠り続けていたのか・・・・・・俺が・・・・俺が最後の生き残りなんだな・・・・』
ノル《はい。・・・・・・・・イクス様、ヨキ殿から伝言があります。》
イクス『なんだ?』
ノル《あなたは十分、我々に尽くしてくだされた。ですから、あなたは我々の分も幸せになってください。と言っていました。》
イクス『・・・・・ッ!・・・・そうか。』
ヨキの伝言に涙を流すイクス。
ノル《伝言はもう一つあります。「イクス様、新しい人生を歩むあなたに私から名前を送ります。」》
イクス『その名前は?』
ノル《「マリア」だそうです。》
マリア『マリア・・・・・・良い名だ。・・・・わかった。今日、この瞬間から俺はマリアと名乗ろう。』
そう言った後に、マリアはシン達を見て話し掛けた。
マリア『君達が俺を保護してくれるんだな?』
シン「はい。我々【アクア】がイクスさん、いえマリアさんでしたね。あなたを責任持って保護します。」
マリア『よろしく頼む。だが、俺は堅苦しい呼び方は好きじゃない。』
レオ「あたしもそう思ってたんだ。よろしくな♪マリア♪」
メイリン「よろしくね♪マリア。」
シン「よろしく♪マリア。」
マリア『改めて、よろしく頼む。シン、レオノーラ、メイリン。』
レオ「レオで良いよ♪皆そう呼んでるからさ。」
マリア『わかったよ、レオ。なんだかレオとは気が合いそうだな。』
レオ「そうだね♪」
ノル《挨拶も済んだようですし、マリア様そろそろお別れですね。》
そう言ったノルにマリアは向き直り、少し微笑んで口を開いた。
マリア『ノル。俺が眠る前にも言ったが、もう一度言わせてくれ。・・・・・ありがとう・・・・・お前に助けてもらわなければ、俺は今こうして存在していなかった。』
そして、もう一度「ありがとう」と言ってマリアは頭を下げた。
ノル《・・・・・さあ、もう行ってください。そして、私達の分まで幸せに生きてください。》
マリア『ああ、ノルがヨキが皆が生かしてくれこの命と身体、大事にするよ。』
シン「マリア、行きましょうか。」
マリア『ああ。』
そう言って出て行こうとしたマリアにノルが声を掛けた。
ノル《マリア様!あなたの能力はそのまま使えるはずです。》
ノルの言葉にマリアは頷き、部屋を後にした。
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