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イクス(・・・・ん・・・・こ・・・・こは?)
イクスが目覚めると、周りは液体だった。
イクスは移植が終わり、今は最終調整用の保護カプセルの中に立つようにして浮かんでいる。
自分の肉体となる素体には無数のコード類が付けられていて、それはそのままカプセルの外にある計測機器に繋がっている。
イクス(・・・・そうか・・・・移植は成功した・・・・・のか・・)
イクスがボーっと考えていると、カプセルを透して見える外に所長が近づいてくるのが見えた。
所長「目覚められましたか?イクス様。」
所長の問いに答えようと、口を開くが「コポッ」っと気泡が出るだけで、喋ることが出来なかった。
所長「ああ、今は保護カプセルの中ですから喋れませんよ。頭で考えてもらえればこちらで読み取ります。」
イクス(・・・・わかった・・・それで?移植は成功したのか?)
所長「はい、完璧です。」
イクス(それで?俺が眠る前に知っておかないといけない事はないのか?)
所長「あります。素体に関してですが、その素体は初期の段階で一般人の5倍ほどのスペックがあります。ですから最終調整が終了してイクス様の肉体となった後はどれほどのスペックがあるかわかりません。おそらくは現在のイクス様より能力は高くなると思います。最後に、その素体は普通の女性と同じ機能があります。・・・・以上ですね。」
イクス(まて!!最後に言った事はまさか!?)
所長「その、まさか・・・・ですよ。普通の女性と同じように生理もあれば、妊娠も可能です。」
イクス(何故そんな事を💧)
イクスが半分呆れていると、所長は楽しそうに言った。
所長「だって、せっかく女性体で作ったんですから、どうせならより人間の女性に近づけたくなるのが科学者って人種でしょう?」
イクス(はぁ💧もういい💧・・・・それより、段々意識を保てなくなってきた・・・)
所長「そろそろ最終調整に入りますからね・・・・・・・それではイクス様・・・・良い夢を・・・」
イクス(ああ・・・・・・・・所長!!)
所長「はい?」
イクス(俺を助けてもらい感謝する・・・・・・ありがとう・・)
それを最後にイクスは意識を手放し、素体は最終調整に入った。
所長「ありがとう・・・・・か・・・・その言葉を貰う資格は私にはないですよ・・・・私はあなたを使って実験しただけなのだから・・・・」
所長はそう呟くと、部屋を出ていった。
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