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俺たちは無事に解放され、櫻井と共に進路指導室を後にした。
「櫻井もT医大志望なんだな。」
「うん。御堂君は必ず受かるわ。勿論、私もね。不思議な記憶力がある限り…。」
櫻井は朝の人物とは別人のように表情豊かに微笑んだ。
俺はその笑顔に引き込まれるように櫻井を想う気持ちが大きくなった。
櫻井の事をもっと知りたい…。
櫻井の側にいたい…。
この想いを止める事はもう出来ないと思った。
櫻井も俺と同じ希望ヶ丘に住んでいるらしく、俺と同じで徒歩通学だった。
よって仲良く帰る事になった。
朝の櫻井は何処へ?と思うぐらいの笑顔で俺と接してくれる櫻井。
「櫻井は医者になるんだよな?何医目指してんの?」
「私は産婦人科医。」
「マジ!?俺と同じじゃん!俺の親父が産婦人科医だから、誰に言われた訳でもないけど小さい頃から産婦人科医になるのが当たり前に思ってたんだ。櫻井は何で産婦人科医なんだ?」
「母が助産士なの。その影響。お産に携わるならエキスパートになりたいって思って産婦人科医を目指す事にしたの。」
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