3.進路

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それから俺たちは自然に仲良くなった。 俺と櫻井と海と優。 殆ど行動を共にした。 櫻井とは進路が同じだから何かと担任に呼び出され、海や優といるより櫻井といる時間の方が多くなった。 櫻井はクラスの他の奴らと話す事はなく、俺たち以外には転校初日に見せた『近づくな』という顔でいつも接していた。 もうすぐ夏休みという、ある日… 担任は俺と櫻井が浪人しないように、幸か不幸か…夏休みに講習と名の付く勉強会を開いくと言い出した。 夏休みに櫻井に会えるのは嬉しいけど、学校に行って勉強って…有り得ない。 高校生活最後の夏休みなんだから楽しく過ごしたい。 櫻井とデートとか、デートとかデート…。 つまり、櫻井と楽しい夏休みを過ごしたい訳で…決して勉強なんてしたくない! 俺も櫻井も勉強なんてしなくても参考書と教科書、それにT医大の過去問題とか読んでしまえば、後は不思議かつ便利な記憶力が脳ミソに記録してくれる訳で…。 .
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