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真っ赤な顔で見詰め合う愛流と海…。
「って、オイ!バカ海!!愛流が困ってるぞ。お前はとっとと帰れ!」
バカ海の分際で、愛流と見詰め合うなんて…。
「流来~、俺も一緒に昼飯行きたい!櫻井~、俺も愛流って呼びたい!海って呼ばれたい!!」
駄々こねるな。
お前は子供か。
「愛流でいいよ。私は海って呼ぶね。」
可愛い笑顔を海に向けて言う愛流。
俺の嫉妬心がみるみる大きく膨らむ。
海にその笑顔を向ける事が嫌だ。
でも…そんな事は言えない。
愛流…俺の気持ちに気付いてよ…。
「流来?海も一緒に良い?」
満面の笑顔で首を傾げながら言う愛流に俺はドキドキしながら、その反面とても複雑な気持ちになった。
俺だけが愛流と呼ぶ事に優越感を感じながら、愛流も俺の事が好きなのか?って・・・ほんの少し期待もしていた。
その優越感も期待も見事に砕け、俺は大きな溜息を吐いた。
「愛流が言うなら仕方ない…海も連れて行ってやるか!」
必死に笑顔を作り言う俺に、愛流は可愛い笑顔を向けてくれる。
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