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「君、」
近づき俺の頬に触れる
反射的に肩が動いたが、男は気にせずに裾で俺の頬を拭った
「何」
「血が付いてる」
返り血が付いていたらしい
小さく男にお礼を言い、サッサと行こうとすると今度は腕を掴まれた
「身体冷たいね
良かったらぼくの家で暖まって行かない?」
疑問口調のはずなのに、掴まれた腕はすごく痛かった
ま、家に帰っても暖まる物はなにもないし……
この男の誘いに乗ることにした
「じゃあ、行こっか
助手席乗って」
黒光りなその車は乗り心地も良く、途端に疲れが襲ってきた
「ぼくの名前は椛ね
君は?あれ、眠い?」
小さく頷くと頭を撫でてくれて、それがあまりにも気持ち良くすぐに眠ってしまった
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