中国編

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●ファウルフライに大歓声  WBCで日本に善戦した中国にも六球団のプロチームがあるが、全くの不人気。中国語で野球は「棒球(ばんちゅう)」だが、北京に赴任して1年近く、日常の新聞紙面やテレビ番組で「棒球」を見たことは、一度もない。  北京五輪で野球会場に行った。動員されたと思われる中国人の観客が、フライが打ち上がるたびに「オーッ」と歓声をあげるのに驚いた。たとえファウルであっても、高く打ち上げるほど大歓声。花火じゃないのに…と思った。  当然、運動具店にも野球道具は並んでいない。先日、ある食堂でグラブを見つけ、「中国で初めて野球道具を見た」と言ったら、「ここは台湾料理店」としかられた。  「中国が国際的に強いスポーツは6人まで」といわれる。6人とは、バレーボールのこと。11人のサッカーも人気だが、代表チームは弱い。卓球、体操、重量挙げ…。北京五輪の大量の金メダルも、基本的に幼少時から英才教育が可能な個人競技が多かった。「送りバント」のチームプレー精神が、中国で理解される日は、果たしていつか。
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