アメリカ編

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●「それって白血球の話?」  さして多くもない米国人の知人たちの感想を米国全体に当てはめるのには多少無理はあるが、WBCに対する米国人の意識が希薄なのは間違いなさそうだ。  WBCが野球であることを知っていればまだいい方で、「WBC? ボクシングの試合か」とパンチを繰り出す白人男性、黒人の女性医師からは「あなたと血液について話すとは思わなかったわ」と言われ、何の事か分からずその場はいつもの作り笑いで難を逃れたが、後で調べたらWBCは「白血球」(White Blood Cell)の略語でもあった。  ワシントン・ポスト紙は毎日、スポーツ記事を八ページ前後にわたって掲載しているが、この時期はアイスホッケーとバスケットのオンパレード。大リーグの優勝チームを決める試合を「ワールドシリーズ」と呼ぶ国だから、WBCへの関心度は推して知るべしか。  「日本は強いチーム」。米国代表監督の言葉は、オバマ大統領が麻生首相に語った「日本は偉大なパートナー」と重なる。どちらも世界一を自任する国の、外交辞令に思えてならない。
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