台湾編

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●「悪夢」再び…再起なるか  「台湾で一番人気のスポーツは?」と聞くと、誰もが「野球」と答えてくれる。手元にある台湾元の500元札には、帽子を投げ上げて勝利に歓喜する少年野球の選手たちが描かれている。だが今、台湾では、WBCを話題にすることさえ、はばかられる雰囲気だ。  「強豪の日韓と戦うにはあまりに経験不足。中継を見るのもつらいね」。野球ファンを自任する地元紙記者は、台湾チームのメンバー構成に、開幕前からあきらめ気味だった。大リーグ・ヤンキースのエース・王建民をはじめ、主力選手が次々と不参加を決め、平均年齢約25歳の若すぎるチームとなったからだ。  台湾の野球ファンにとって、昨年は「悪夢の年」だった。八百長事件や経営難で2つのプロ球団が解散。王建民は右ひざ故障で離脱。北京五輪では中国にまさかの逆転負けを喫した。  そして7日、台湾は中国に再び敗れ、WBCもまた「悪夢」に終わった。台湾プロ野球は今季、4球団体制で再起を誓うが、世界の壁の厚さを体感した若い選手たちは、ファンを球場に呼び戻せるだろうか
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