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自分達の息子が襲われたからと頭ごなしに拒絶せず、隆二のクリアロッドに対する弁解を全て聞いてくれた。
事件の全貌を知って、クリアロッドの事を理解してくれ、受け入れてくれたのだ。
特に智明にはクリアロッドと通ずる所がある。
親から見放さた経験。
そんな人へ必要なのは罵倒する事でも同情するかのように、腫れ物を扱うようにするのではない。
ただ、いつもと変わらない態度で接するだけ。
だから智明は、
「もう悪さすんなよ?」
まるで悪戯を叱るように額を小突いた。
それが全てを許すというサインだったのだろう。
それからは隆二や冬弥にするような子供への対応をした。
クリアロッドは呆然としていたが、智明の意図が読めると涙を溜めて礼を言っていた。
いつの時代でも親は強かった。
そしてまだまだ適わないな、と再確認させられる隆二だった。
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