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「お」
「あ……」
当然、ゲートに向かうと先にいたクリアロッドとシュガが鉢合わせるわけで、
「こ、こんにちは」
「おう」
クリアロッドとシュガの間に気まずい雰囲気が流れる。
一ヶ月前に自分が刺した相手が目の前にいるのだ。
動揺しないはずもない。
が、それもすぐ終わった。
「みっちり絞られてきたか?」
シュガは笑顔になり、クリアロッドの頭を撫でる。
「あ……はい」
涙を浮かべたクリアロッドはそれを隠すように俯いた。
シュガはそんなクリアロッドを見て撫で続ける。
つまりはもう気にしていないという意思の表れだ。
「リュージさん!!」
そんな二人を眺めている隆二を呼ぶ声が聞こえた。
振り向かなくても分かる。
聞き慣れた声に顔を見る前から笑顔が綻んだ隆二。
見てみると案の定、そこにはミーシャ・フェイリスがこちらに手を振っていた。
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