阿呆の意気で楽しめ休み

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「お久しぶりです。ありがとうございます、ここまででいいですわ」 隆二に一礼した後、両脇に佇んでいた黒服の男達から荷物を受け取るカナン。 カナンと隆二達にお辞儀をすると男達は再び人混みの中に紛れてしまった。 「すげー黒服だ、ボディーガードだ。初めて見たよ」 シュガは紛れても未だ確認出来る飛び出た頭を見つめながら呟く。 隆二も全くその通りだと思った。 テレビの中だけの存在と思っていたものが、こうも目の前に現れるとやはり住む世界が違うと実感させられるのだ。 「シュガさんもクドも。お久しぶりです」 「おっす」 「……お久しぶりです」 三人でお互いに笑い合う。 「後三人か。ま、時間もあるし急ぐ必要もないしな」 時計と辺りを交互に見ながら一人で納得する隆二。 飛行機の入場ゲート開場まで十分。 飛行機の出発まで更に十分。 計二十分あるのだ。 「リュージさん!リュージさん!」 興奮気味に呼ぶミーシャを見てみると冬弥の隣に膝をついていた。
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