阿呆の意気で楽しめ休み

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影が隆二を抱き込むような形。 端から見れば戦闘中にふざけた行為だが本人達は至って真面目だ。 ましてや隆二はいつ攻撃されるか分からない危険に孕んでいる。 が、そこまでしてでもこの隙を作りたかったのだ。 クリアロッドに繋ぐために。 が、 「まだまだだな。捨て身なんて考えてるんじゃ修行不足だ」 影は隆二から離れる事を諦め、逆に右手を隆二の反対側の腰に回してしっかりと固定する。 左手は掴まれたままだが拳を握り締めて前後から隆二を捕まえ、 「え?でえぇぇぇぇ!?」 影は背中を反らす。 その姿はさながらバックドロップ。 そしてその先には突進するクリアロッド。 「避けて!お願いクド!!」 半分泣きながらクリアロッドに懇願する隆二。 しかし悲しいかな。 車と同じく一度走り出したらすぐには止まれないのが人間。 「……無理です」 そして諦めたように目を伏せるクリアロッド目掛けて隆二が振り下ろされた。 鈍く、聞くだけで痛くなりそうな音が辺りに響いた。
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