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「もう治ってるから大丈夫!ね、クォン!?」
自分の肩に乗ったグリフィンのクォンに尋ねる冬弥。
それを見て隆二は溜め息を吐き出した。
「まだ完治はしてないだろうが。それに順応性高いね」
苦笑いがちに一人と一匹を見やる。
春期休暇に入った時には冬弥は魔法の存在を知らなかった。
では何故魔法に関係しているクォンといるのだろうか。
それは、
「だって魔法ってワクワクするもん!もっと知りたいから!」
隆二と智明が明かしたから他ならない。
隆二と智明が戦い終わったあの日、朝一番に話したのだ。
ただし福音の眼や天位魔法は除いて。
あくまで一般魔法生徒という事で話した。
最初は冬弥に嘘だと馬鹿にされたが、クォンを見せると態度が一変した。
文字通り目を輝かせてクォンを撫で回し、あれ何これ何と質問の嵐。
それは何となく予想のついた隆二だが、想定外の事があった。
隆二の義母、歩が魔法の存在を知っていたという事だ。
しかも、歩は智明がかつて話していた隆二のベビーシッターだった。
加えて魔法使い。
魔法界の犯罪を取り締まる、魔法界警に所属していた智明とカルトゥーシュの子供だった隆二の世話をしていたので逆恨みなどを隆二から退けるため、結界魔法に長けている腕利きらしい。
しかし、歩も隆二の血の事については知らなかったし、隆二はこれからも言うつもりはなかった。
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