阿呆の意気で楽しめ休み

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そして変化がもう一つ。 「あ、お父さん、これ落ちてるよ」 冬弥が一枚のカードを拾って智明に渡す。 そこには智明の証明写真と事細かに文字が記載されていた。 【魔法界警】 特別魔導機動部隊、魔導特課。 「おー、わり。これ無くしたら俺無職になるとこだった」 無職の危機など気にしていないようにあっけらかんと受け取る智明。 智明は非魔法職業を辞め、もう一度魔法界警に就職したのだ。 魔法界警もかつてのエリートである智明が戻ってきてくれた事は嬉しい誤算で、すぐに特級犯罪者、悪名高い犯罪者だけを追う特別魔導機動部隊の魔導特課に配属した。 戦線に復帰した智明は隆二を狙う輩を捕まえられ、おまけに勘が戻って強くなれるから一石二鳥と笑っている。 まさに魔法一家。 しかし隆二にとっては嫌ではない。クォンに窮屈な思いをさせなくて済む上、これ以上秘密を作らなくてもいいからだ。 「…………う」 そんなやり取りをしているとクリアロッドが呻き声を上げて目を覚ました。
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