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どちらかが引かなければならぬ
しかしながら…
先ほど傍にいると誓った俺が、折れたのは言うまでもない
もちろん償いも兼ねてだ
「傍にいてやるから、そんな目で俺を見るな」
『…ありがとうございます…すみません…』
申し訳なさそうに言いながら
嬉しそうにベッドの中央から身体をベッドの端に避け
ポンポン枕を叩いて
早くしてと言わんばかりに俺を催促した
そんな仕草も堪らなく愛しい
「世話がやける子供の様だな」
からかってやったのに、ただ無邪気に微笑んで
『愛しています…』
そう言って…汚した唇を清め
狂った愛を押し付けた俺の全てを優しく包み
嘘のようにさっぱり忘れさせてくれた…
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