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『おやすみなさい』
「あぁ…」
窓枠の太陽はすっかり昇りきってしまい
明るい中での…おやすみなさいが、少し可笑しかった
眠りの挨拶と共に横になっていたマリアに遅れをとって
にやけながら…穏やかな愛が逃げてしまう前に
颯爽と抱き締めて瞼を閉じた
瞼を閉じた途端…
また…いろいろな事が、頭を巡り
狂気の場面を瞼の裏にくっきり写し出した
俺の記憶とマリアの生い立ちが重なって行く…
一つ一つつなぎ合わせる事で…
俺の記憶は全て埋まった
『ウゥ…ヤメテ…』
悪夢に眉を寄せ苦痛の表情を浮かべるマリアに……
手を差し延べ
今すぐ救い出してやる
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